ベンチャーキャピタリストは思った

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『小売再生』に学ぶリアル店舗のサバイバル

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ここ最近で読んだ本の中で一番勉強になりました。『小売再生-リアル店舗はメディアになる-』。
小売再生 ―リアル店舗はメディアになる

小売再生 ―リアル店舗はメディアになる

  • 作者: ダグ・スティーブンス,斎藤栄一郎
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2018/05/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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飲食店という、まさにリアル店舗を持つ事業を経営する自分としては、非常に危機感を持ちかつ、これからの指針を考える上で参考になりました。

自分の為にも、この場でアウトプットしていきます。 

 

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本書の一番のテーマは「メディアが店舗になる」という考え方です。
 
インターネットの普及により、自宅にいながらモノを買うことが当たり前の世の中になってきました。
特にAmazonでは、コモディティ化された商品(例えばトイレットペーパーや洗剤などの日用品)はボタン一つで購入が可能です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
 
つまり、お店に行きモノを選ぶという行為が「手間がかかるもの」と考えられるようになりました。
 
本書では、「このままでは店舗を持つ小売業は衰退する」という悲観的な考えを述べながら、一方でインターネットの普及により逆にリアルな場の体験に価値が生まれると説明しています。
 
よく例として挙げられる業界が音楽です。
従来のアーティスト(歌手)の最大の収益源はCD販売であり、ライブはファンに自分たちの曲を披露しCD購入につなげるマーケティングの場でした。
 
しかし、AppleのiTunesが登場によって曲が個別のデータになり、Youtube上で無料で聴けるようになったことで、これまでの最大の収益源であるCD販売に大打撃を与えました。
 
では、ファン側にとってはどのような現象が起こったでしょうか。
これまではライブに行ってお気に入りの曲を知り、CDを買っていました。今では、youtubeで曲を聞いてからそのアーティストを知り、「生で聴きたい」という欲求が湧きライブに行くという流れです。
これまでとは全く逆方向の購買プロセスになりました。
 
モノを買うという行為がインターネットによって簡略化されたことにより、逆にリアルな場での体験に価値が置かれるようになってきています。
 
飲食業界では、小売りのような現象がまだ顕著にはなっていませんが、「Uber Eats」や「LINEデリマ」など、家にいながら食べたいものを宅配してもらうスマホサービスが徐々に普及してきています。
店舗はお客様が食事をされるところ、ではなく料理を作るところになる可能性が出てきます。
 
かならずしも、音楽業界と共通するわけではありませんが、
飲食業界でも、お客様が店舗での体験に価値を置く時代が到来します。
※高級店では味はもちろんですが、店舗での体験に価値があると既に認識されています。
 
小売店を中心に、海外の企業ですが実例がいくつも書かれています。
大変お忙しいと存じますが、これからやってくる「店舗がメディアになる」時代に備え、ご一読頂けますと幸いです。