ベンチャーキャピタリストは思った

上場企業のIR資料やベンチャー界隈、大好きなサッカーについて書いてます。

LINEはコミュニケーションから金融へ

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みなさんはもうLINEの決算資料みましたか?

 

日本のIT企業を代表する1社であるLINEの戦略は、これからのネットを考える上で勉強になると思いますので、私のインプットもかねてみていこうと思います。

 

 

今回見る資料は4月25日に発表された2018年12月期第1四半期の決算説明資料です。

まずは業績をサクッとみた上で細かいところに進んでいきましょう。

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営業収益(売上高)50,209百万円 YoY+22.5%

営業利益1,246百万円 YoY-69.0%

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前期に比べると、営業利益が相当減っています。

現状、LINEはこういう状況だということを頭に入れた上で続きをみていきましょう。

見出し

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各事業のハイライトがこちら。

コア事業というのはコミュニケーションアプリのLINEで、読むとディスプレイ広告のインプレッションや広告単価が上がりYoY+81%の増収とのことです。

戦略事業は、LINEの周辺事業のことを指しますが、やはり決済や金融周りが一番注力しているところでしょう。

今年1月末にはプレスリリースでLINE Financial株式会社を設立したことを発表しました。

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大きく表示が注力順だと考えると、「仮想通貨」「資産運用」「ローン」「保険」を狙って行くのでしょう。野村HDと証券ビジネス、損保ジャパンとInsurTechの提携がスライドにも書かれています。

それでは、コア事業と戦略事業をそれぞれみていきます。ふたつの事業の住み分けが整理されていたのでそれも貼っておきます。

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コア事業

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まずLINEのMAUですが、全体で微減が続いており特に成長が期待されていた東南アジア地域でのユーザー数が減っています。

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広告事業では、YoY+38.0%という大きな成長をしており、特にディスプレイ広告が大きく伸びているのがわかります。

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ちなみにディスプレイ広告ってこういうのです。イオンの広告が出ています。普段トークだけ使う場合はあまり見ないですよね。LINEでは今この広告が成長中だそうです。

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次にコミュニケーションやコンテンツ関連ですが、コミュニケーションはLINEスタンプと思ってください。これらは横ばいです。コンテンツはLINE上でできるゲームなどです。これも微減って感じですね。

LINEのMAUは減り始め、ユーザーはスタンプを買わない状況。広告は伸びている。そうなると、新規事業で新たな収益源を作らなければいけないのは一目瞭然。

LINEはそれが金融事業だと考えています。 

 戦略事業

LINE×金融でいうと真っ先に浮かぶのはLINE Payでしょう。

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LINE Payの決済高が開示されています。前四半期は保険料納付による影響ということで、ドンっと上がっています。それを差し引いても、今期は順調に伸びていることがわかります。わたしもLINE Payカードを持っており、2%還元に惹かれて使っているユーザーです。

まあ、それは置いておいて重要な機能は公共料金の請求書支払いがLINE Payで出来るという点ではないでしょうか。アナログで煩雑な支払いがスマホで完結出来るようになるのは、これからのフィンテックで必須です。※中国などスマホ先進国ではスマホ決済は当たり前なので、日本のこの現状は嘆かわしいですが・・・

そして新設されたLINE Financiaは下図のような事業ポートフォリオを組んでいます。

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まだまだ準備中のものばかりですが、個人的にはInsurTechに期待をしております。損保ジャパンと提携とのことなので損保がメインになるのでしょうが、今後生保にも参入していってほしいですね。告知がLINEのボットで済むとか。

 

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あとはClovaを中心としたAIサービスでしょう。音声認識×AIはこれからのイノベーションで必須です。この領域は、Google、Apple、AmazonなどIT巨人がひしめく激戦区ですが、日本発のサービスに期待していきたいと思います。

 

forbesの記事「Apple HomePod Vs. Amazon Echo Vs. Google Home: Which Smart Speaker Is Right For You?」には以下のように書かれています。

When you’re deciding between the Google Home, Amazon Echo, or Apple HomePod, you’re deciding between three ecosystems – not just three devices. 

GoogleHomeとAmazon Echo、Apple HomePodのどれを買うか選ぶとき、デバイスを選ぶだけでなくそのエコシステムを選ぶことになります。

それぞれの巨人が独自の経済圏を作っているので、一つを選ぶとその経済圏の中で生きていくことになります。 それくらい、大きなエコシステムになっているんですね。

LINEは日本のコミュニケーションの中心にいますが、経済エコシステムを気づけていない分、不利な状況だと思います。

 

いかがだったでしょうか。

ユーザー数が減り始めたLINEは今が正念場なんでしょう。金融サービスを展開し、私の生活の身の回りをLINEで固めようとし始めました。ユーザーとしては、一サービスで完結出来るのであれば願ったり叶ったりです。

ぜひ応援していきたいです。